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小林 泰彦; 田口 光正; 渡辺 宏; 山本 和生
JAERI-Review 99-025, TIARA Annual Report 1998, p.50 - 52, 1999/10
動物培養細胞へのシングルイオン照射を行うには、大気中に取り出したイオンが標的となる細胞と培養液及びその容器、さらに飛跡検出用CR-39フィルムを貫通した後、イオンの入射個別を計数するプラスチック・シンチレーターまで届くだけの飛程を有していることが必要である。そのため、高崎研究所のサイクロトロンで得られる高エネルギー重イオンをコリメート系を通して大気中に取り出し、顕微鏡観察下の生物試料に照射することができる細胞局部照射装置を製作した。本装置の照準・観察系顕微鏡の対物レンズの位置にプラスチック・シンチレータを取り付けたフォトマルを取り付け、照射試料を貫通したイオンに由来する信号を検出することによって照射されたイオン個数を計測し、ビームシャッターを駆動して照射を終了するシステムを構築した。試料の位置でのイオンの飛跡のバラツキを厚さ10mのCR-39フィルムを用いて調べたところ、約10mの範囲に集中して照射されていることがわかった。